ヒロコのサイエンスつれづれ日記

フリーのサイエンスライターです。論文執筆・研究・キャリアについて発信していきます。

英文校正会社の選び方:比較サイトを賢く使う5つのポイント

こんにちは!サイエンスライターのヒロコです。

今日は英文校正サービスを選ぶポイントやコツについてお話したいと思います。

 

研究にとって悩ましい英語での論文投稿。英文校正証明書の添付を求めるジャーナルも多く、多くの方が英文校正のサービスを利用されているのではないでしょうか?コロナの影響もあって、試薬や機材の調達が滞り、海外にいる研究者の来日も制限される中、実験が思うように進まない方もいらっしゃるでしょう。でも時間は確実に過ぎていきます。まずは手元にあるデータで論文を出して、今年の業績が空白にならないようにしなくては・・・と焦っている方もいらっしゃるかもしれません。

 

ネットで「英文校正」と検索をかけると、様々な会社の名前が出てきます。また、比較サイトもあるようです。語数当たりの単価やサービス内容が一目瞭然で便利です。実際に比較サイトをのぞいてみましょう。こちらの英文校正会社比較サイトでは10社以上が紹介されており、そこから3社を選んで一括見積をとることができます。まずは3社を選んでみましょう。あなたなら、どうやって選びますか?

 

 

選ぶ男性イメージ

研究内容を正確に伝えるためにも英文校正会社は慎重に選んで

 

【ポイント・その1:校正プランは使い分ける】

掲載までのスピードを重視したい場合、例えば「今年度末にドクターを取る予定の学生に、なるべく早くファーストオーサーの論文を出させてあげたい」ような場合、あまり査読が厳しくないジャーナルに投稿することってありますよね。そんな時は、高評価を得ている会社3社を選んで安めのプランを利用しましょう。一方、気合の入った論文はどうでしょう?自分の実績を上げるために勝負に出たい時。この場合はもう少し慎重になりましょう。後述しますが、校正会社の中には魅力的なオプションサービスを用意しているところが少なくありません。多少のお金をかけてでも、有益なサービスは利用したいところです。また、若干の手間はかかりますが、複数の組み合わせで見積もりを取るといいでしょう。少なくとも「高評価の3社」だけでなく、「高価格の3社」も比較してみましょう。

 

候補を決めたら、いよいよ一括見積を依頼します。氏名、連絡先、原稿の単語数と希望納期を入力し、候補となる校正会社を選びます。また、ファイルのアップロードも必要なようですね。

 

【ポイント・その2:ファイルのアップロード】

まだ見積もりの段階で、投稿予定の原稿を複数社にオープンにすることに不安を覚える方もいらっしゃるでしょう。そんな方にとっておきの秘策をお教えします。ダミーの原稿を用意して、例えば自分の既発表論文のドラフトを、これから投稿する論文と同程度の字数に調整して送るのです。知り合いの研究者が教えてくれた方法ですが、是非お試しください。(もちろん、最終的にお願いする校正会社を決めたら、本物と差し替えるのをお忘れなく!)

 

必要事項を入力したら、見積もり結果がメールで送られてくるのを待ちましょう。

 

【ポイント・その3:校正者を選べるか?】

見積もりを待っている間に、自社サイトもチェックしておきましょう。掲載実績のあるジャーナル、利用した人の感想や校正者のプロフィールもチェックします。NatureやScienceに受理されていたり、利用者の所属機関が有名な大学だったりすると、その会社に決めたくなりますね。でも、よく考えてみてください。校正サービスを利用するのは「その人」ではなく「あなた」です。あなたのニーズに合っているかどうか、言い換えれば、あなたにピッタリのプランや校正者を選べるかどうかが、いちばん大事です。

皆さんの中には子供の頃に塾や予備校に通ったことがある人がいると思います。どうやって塾を選びましたか?きっと合格実績や合格体験記を読んで選んだはずです。でも、そうやって実績のある塾に行っても第一志望に受かりましたか?「はい、合格しました!」という方。おめでとうございます。「いえ、残念ながら。。。」という方。実は、私もその一人です。学生時代に家庭教師や塾講師のアルバイトをした経験、また受験生の子どもをもつ親になってわかったことが一つあります。それはどんなにすばらしいカリキュラムがあっても、その人にあった講師に巡り合わなければ、結果は出せない、ということです。実際、塾の中には体験授業を実施しているところが多いですし、通ってみて途中で転塾したり、受験直前には個別指導や家庭教師をつけて仕上げたりという話もよく聞きます。「カリキュラム」を「サービスプラン」、「合格実績」を「ジャーナル掲載実績」、「合格体験記」を「利用者の感想」、「講師」を「校正者」に置き換えれば、英文校正の選び方にもこの考えが当てはまることがお分かりいただけると思います。

 

【ポイント・その4:校正以外のサービス】

論文を投稿する際に一番気になるのは、投稿後のエディターとのやり取りではないでしょうか?リジェクトされたらどうしよう?リバイスになったとしても時間がかかりそう。論文を手直しするたびに校正サービスを利用していたら、ますます費用がかかってしまう・・・ そのようなニーズにこたえて、校正会社の中にはリバイス・リジェクト論文の校正を初回の英文校正とセットで割安に提供しているところがあります。また、投稿の手続きそのものを代行してくれたり、カバーレターを書いてくれたりと、かゆいところに手が届くサービスもいろいろとあります。査読が厳しくないジャーナルに投稿する場合は別として、勝負に出る場合は多少の費用をかけてでも、最善を尽くしたいものです。自社サイトでこれらのサービスも押さえておきましょう。

 

さて、そろそろ1社目から返信が届くころでしょうか?

 

【ポイント・その5:レスポンスの速さ】

早速に返信がくる校正会社は、利用する価値あり!です。これから何度もカスタマーサービスや校正者とやりとりをすることになるわけですが、まずは早くて的確な返事が来るところでなければ、作業の進捗に大いに支障をきたしてしまいますし、こちらのストレスも増すばかりです。レスポンスが速いということは、然るべきスタッフを投入して体制を整えている証であり、多くの研究者が利用し実績をあげている会社でなければできないことです。

 

ちなみに、私が一括見積もりをとってみたところ、いちばん最初に見積もりが届いたのは英文校正エナゴでした。英文校正エナゴは安いプラン(5円/語)から、なんと投稿前にNatureの元編集者が査読してくれる最高級プランまで幅広いメニューがそろっているようです。また、カバーレターを作成したり、投稿手続きを代行したり、さらにリバイス・リジェクト論文の校正もお願いできるようです。無料体験(トライアル)ができますし、お気に入りの校正者を指名することも可能だそうです。しかも10%の消費税がかからないとのことで、他社よりコストを抑えられそうですね。

 

安くないお金を支払うのですから、まして業績はその後の人生を左右しかねないのですから、英文校正会社はくれぐれも慎重に選びたいものです。