ChatGPTで論文執筆できるか検証してみた!
盛り上がっていますね、ChatGPT!
なにがここまで話題を呼んでいるかのかというと……
ChatGPTは、自然言語処理モデルである(最新では)GPT-4を用いた対話型チャットボット。
ウェブに浮遊するさまざまな情報や文章をAIが学習し、指示(プロンプト)を入力すると
対話しているかのように、文章生成や質問への回答をし、細やかな要望にも対応します。
2015年にイーロン・マスク他により起ち上げられたOpenAIが開発し2022年11月にリリース。
GPT-3の後継モデルであるGPT-4を用い、AIツールとしてすぐに席巻しているのはご存じの通りです。
ChatGPTの特徴として、3つを挙げてみます。
1. インターフェース:対話型-チャット風
ChatGPTでは、要求を入力するとテキストで即座に回答が示される、チャット型です。
なめらかな対話風のやりとりが特徴と言えるでしょう。
2. 応用域:活用の場が多様
ChatGPTが話題を呼んだ大きな要因として、入り組んだ表現や言い回し、質問内容を理解し、
一定程度きちんと対応できるところではないでしょうか。
途方もない情報量を学習させたAIゆえ、小説や物語プロットを簡単に作り出すことができ、
コーディング、アイディアの整理、英文校正など多様に応用できます。
ディスカッションのようにしてブレインストーミングとしても利用可能です。
3. フィードバックに基づく進化
ChatGPTのデメリットは、偽の情報や誤回答を返してくる点です。
ただそれも、日夜ユーザーからのフィードバックにより修正学習しながら、
より精度を上げています。
さてこのようにまとめてみると、リサーチや参考文献収集、文献レビューやアイディアの捻出、要約作成、そして校正もできるならば、論文執筆に活かせないか?と思えてきます。
そこに横たわる諸問題はありますが、論文執筆時において多くの細やかなサポートツールとしてどのように活用できるかに今回は焦点を当てたいと思います。
ChatGPTを論文執筆に活用する
上記にまとめた通り、ChatGPTは収集した情報からテーマやキーワードを掘り下げるのに役立ちます。
スピーチ原稿やジャーナル編集者へ宛てたメールの下書き、カバーレターのフォーマット作成など、論文に関わるさまざまなタスクにも役立てられますが、ここでは、論文サマリーの作成をサポートする場合の活用方法をご紹介します。
文字制限があり論文全体の入力はできませんので、まずは論文のパートごとに重要な要素に関係するキーワードを抜き出しておきます。
そうしたキーワードをChatGPTに入力したうえで、要約を作成すると指示します。
ここでかなり精度の高いサマリーができあがるとしても、ちゃんとポイントを押さえているか、
重複文や適切な言い回しになっているか、チェックしないといけません。
もし不正確で要約として役に立たないものであれば、わりと鉄板で使える「続けて」というプロンプトや、より詳しい指示を出していきましょう。
ChatGPTは日本語の表現には特に不完全なところも多いことを念頭に、
あくまで構成の叩き台として役立てるくらいだと思っておいてください。
サマリー以外でも同じです。
章ごとに構成や重要ポイントを抽出し、詳しく書かせながらアイディアを拾っていきます。
文章量の足りない際は、的を射ていると思う箇所をより詳しくと追加指示を出していきます。
大事なのは、ここからコピーして一部を使っていく場合の仕上げです。
たとえば「だ・である」調に統一するなど、重複する言い回しや文調がまちまちである場合も多々あるため、このマニュアルでのチェックは欠かせません。
また同時に事実確認も行なっていきます。
とくに参考文献を手がける際は、ほんとうに実在する論文なのかを入念にチェックし、また実際に中身に目を通す必要があります。
論文でAIを使うメリットとデメリット
メリットに挙げられるのは高速で効率的な文章生成が可能という、膨大な情報量を瞬時に処理することによる効率化です。
つまりChatGPTは自動的に文章を生成するため、人間が書くより高速で効率よく文章生成ができます。
わたしが試してみたときには、400字詰め原稿用紙にして25枚分=5,000文字の下書きを30分で作ることができました。
これをベースに自分で調査した内容と照らし合わせて加筆修正すれば、一本の論文を作ることは可能でしょう。
ただし、ChatGPTを使うために確認事項もそれだけ多いことをお忘れなく。
このファクトチェックの作業がデメリットの筆頭となります。
英文校正には十分使えると思う人のいるようですが、筆者の文意を丸っきり無視した添削をした結果、ファクトが捻じ曲がるという現象や、パラグラフ単位での意味や流れなどは当然見てくれないので注意が必要です。
英文校正は、まだ当分英文校正会社に依頼することになりそうです。
また、ChatGPTが提示する内容はあくまで一般的・広範的な内容にとどまります。
統計などの数字も任せられません。
くわえて提出先によってはAIによる論文作成の規制・制約・禁止も公示されている場合があるので注意が必要です。
最近ではChatGPT生成を検知するツールも出てきています。
テクノロジー系ニュースサイトNeowinの記事によるとスタンフォード大学がAIを検知する機能も備わったDirect-GPTを作ったという情報もありました。
まとめ
以上のように見ていくと、文章生成AIであるChatGPTは論文の生成に十分役立ちます。
ただし、繰り返しになりますが、ChatGPTはあくまでも補助的なツールでしかないことを念頭に置き、研究倫理に紐付いた正しい距離感で使いたいところですね。
次回はChatGPTの英文校正の使いかたをご紹介したいと思います。
お楽しみに!
最後までお読みいただきありがとうございました。