ジャーナル投稿に挑戦!1〈準備篇〉
こんにちは。
いま、論文投稿に四苦八苦の時期でしょうか。
どのような雑誌で評価され、読まれ、引用されていくか。
ジャーナル投稿は研究キャリアの肝であり、論文執筆までも山あり谷ありですが、それだけでは終わりません。
投稿した原稿の厳しい査読、リジェクト、リバイズ、はれてのアクセプト……
そんなジャーナル投稿のめくるめく一大ドラマが待ち構えています!
今回はそんな論文投稿に向けて押さえておくべきコツを2回に分けて記したいと思います。
前編は【準備篇】です!
1. 論文投稿の事前準備
何をもってしても大事になるのは事前準備(preparation)です。
具体的なポイントを細かく書いてみます。
- とにかく情報を集める
論文投稿までの行程を頭に入れておきましょう。
論文執筆・投稿・改訂・受理・掲載の流れなどそんなに難しいことではないですが、なんせ投稿先ごとに細かく規定がちがうので、その整理整頓が大変なんですよね。
ジャーナル選択の際に再確認するにしても、研究室や同僚と話すなかで頭に入れておくとのちのちスムーズです。
- 基本方針を指導教官や受入教員と綿密に相談
これを抜きにして何も始まりませんよね。
指導教員や共著者と真剣に議論することで頭が整理されますし、論理的な抜け穴やバイアスなどを炙り出すことができます。
わたしの経験から言うと、文章から 図表(figure) にいたるまでのすべての要素を指導教授と共著者とともに何度もディスカッションして、論文を仕上げるのが一般的に思います。
この期間3~4か月はかかるイメージです。
そして共著者がいる場合の注意ポイントもあります。
単著であれば気にしなくていいのでとばしてください。
共著の場合、事前に相談しておきたい点は以下です。
- 同意を得る……共著者になってもらえるか打診しましょう。投稿したい学術ジャーナルについても話し合いましょう。
- 他の共著者について……共著に入れる研究者についての話し合いと確認をします。
- 責任著者……責任著者(corresponding author)を誰にするかの相談をします。
- 著者の表記順……筆頭著者、第二著者など表記の順番を確認します。
のちのち共著者を打診することもありますが、なるべく早いうちに決定しておきましょう。
2:ArticleかLetterか
ジャーナルの原稿形式についても考慮すべきです。
研究論文とひとくちに言っても、
- 学術論文(Regular Article)
- レター(Letter)
どちらにするかきちんと考えておくと、意外に諸々すんなり決まる場合があります。
通常の論文はみなさんご存知だと思いますので説明を省きますが、レターを選んだときに気をつけてほしいことは次の二点です。
- ページ制限
レターにはページ制限があります。つまり、必要事項を簡潔に書くことが求められます。
- 査読期間
査読期間が短い場合が多いので、こちらもチェックしてください。
3:執筆に最適な時期
原稿(manuscript)の執筆をどの段階でするのがいいか、というと、個人的には、学会発表をし終わった後やる気があるときに取りかかるのがベストだと思います。
データを集め抄録を書いて学会で発表してみるとちょうど頭の整理もできますし、何より見てくれる人からのダイレクトな反応を受け取ることができるので、自信になります。
執筆に関しては、形式に応じて書きやすいセクションから書いていくのも大事です。
書く順番は自由でフレキシブルに書いた方がいいのですが、
図表を先に作ってからの執筆がやりやすいと思っています。
図表の整理ができていて頭にしっかり入っていると、
研究論文の全体像を掴めるので、単純に書きやすいんですよね。
おわりに
事前相談が終わり、形式が決まり、執筆に目処がついたらいよいよジャーナル投稿への一歩を踏み出します。
そんなわけで、次回は実際のジャーナル投稿の際に役立つ情報をまとめたいと思います!
乞うご期待!